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内科の病気について

Q:高血圧と言われましたが、症状がないので放置しています。大丈夫でしょうか?

A:ふつうは高血圧があっても症状はありません。高血圧を長年放置しておくと脳や心臓、血管の障害が起きて症状がではじめます。臓器の障害には脳動脈硬化症、脳卒中、心不全、狭心症、心筋梗塞、腎不全などがあります。また、高血圧があると脳や心臓病による死亡率は血圧が正常の人の2倍以上になります。したがって症状がでてからでは遅すぎるということです。

Q: 血圧を下げる薬(降圧薬)の服用は一生必要ですか?

A:高血圧の治療目的は脳や心臓の障害を予防することですから長期にわたって血圧を下げておくことが必要です。高血圧の大多数のかたは本態性高血圧といって、血圧を上げている原因が不明(体質)ですから取り除くことができません。したがって薬を中止すると血圧は上昇してきます。ただし軽症の一部の人では塩分の制限、定期的な運動、肥満のかたは減量などで薬を全部は止められないまでも量を減らすことが可能です。

Q: 病院や医院の外来で医師が血圧を測ると高いのですが、自宅で家庭用血圧計を用いて測ると下がっています。どちらの血圧が正しいのですか?

A:血圧は一定したものではなく、絶えず変動しています。運動や精神的緊張でも高くなります。白衣を着た医師の前では緊張して血圧が高くなる人も少なくありません。自宅で測ると血圧が正常になっていることもあります。これは「白衣高血圧」と呼ばれます。通常は治療の必要がないのですが、最近の研究では将来本当の高血圧になる危険があるといわれています。血圧の治療は間隔をあけて何回か測り高血圧であることを確かめてからになります。

Q: 低血圧といわれました。大丈夫でしょうか?

A:血圧が100以下の場合を低血圧といいます。急に立ち上がった時に血圧が20以上下がる場合は起立性低血圧です。低血圧には心臓の病気、自律神経やホルモンの異常など原因が明らかな場合と、明らかな原因が分からない(本態性)があります。多くの場合はこの本態性です。症状を訴えるかたは10人に1人程度でそれも朝が弱く、疲れやすい、ドキドキするなど軽度の不定な訴えが大部分です。この場合は治療を要する病気とは考えなくても良いでしょう。起立性低血圧の中には立ちくらみで倒れたり、気を失ったりする場合があります。この場合は糖尿病やパーキンソン病などによる自律神経の病気や血圧降下薬の副作用の可能性も考えて調べることが必要です。

Q: 脂質異常症といわれました。どんな病気ですか?

A:血液中に含まれる脂肪にはコレステロールや中性脂肪があり、これら脂肪が増加した状態を高脂血症といっていました。この以前から使われている高脂血症や高コレステロール血症と似た病名です。しかし近年の研究でコレステロールには善玉コレステロール(HDLコレステロール)と悪玉コレステロール(LDLコレステロール)のあることが分かりました。動脈硬化の進行に関係するのは悪玉コレステロールであり、善玉コレステロールはむしろ多いほうが良いことが明らかになりました。以前は総コレステロールの値が高ければ悪いといっていたのが矛盾してきたわけです。そこで最近では善玉コレステロールが少ない状態、悪玉コレステロールが多い状態、中性脂肪が多い状態などを脂質異常症と呼ぶことになりました。脂質異常症があると狭心症や心筋梗塞、脳卒中やボケなどにつながる動脈硬化症を進行させるので問題となっています。

Q: 健康診断で糖尿病といわれました。症状がないので放置していますが大丈夫ですか?

A:糖尿病は日本人の中高年の10%以上に認められる病気です。多くの場合症状がありませんが、症状がなくてもひそかに血管の病気が進行していく怖い病気です。例えば糖尿病は動脈硬化を促進し、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢の血の流れが悪くなる閉塞性動脈硬化症などが起きやすくなります。網膜症で失明したり、腎臓が悪くなることもあります。是非治療を受けて下さい。糖尿病は食事療法、運動療法、薬物療法で治療します。

Q: 狭心症といわれました。どんな病気ですか?

A:狭心症は心臓の筋肉に血液を送る血管(冠動脈)が動脈硬化やけいれんで狭くなり血の流れが悪くなって起こる病気です。狭心症には朝の出勤時に駅の階段を上っている時などに起こる労作狭心症と深夜や明け方の睡眠中などに起こる異型狭心症があります。胸の中央から左側にかけて「胸が締め付けられる」、「胸が圧迫される」、「胸が焼ける」などと表現される苦しさです。持続は2~3分が普通ですが、強い発作では10~15分にわたり、冷や汗のでることもあります。診断には心電図が必要です。ただし胸痛発作中でないと特徴的な変化が発見できません。そのために運動負荷試験やテープレコーダーを用いたホルター長時間心電図検査を行います。さらに冠動脈の状態を画像で見る検査法にはコンピュータ断層撮影法を用いた冠動脈造影CT検査と心臓カテーテルという細い管を腕や股の血管から入れて心臓の冠動脈の写真をとる検査も必要に応じて行われますが、この場合はご希望の連携病院をご紹介します。

Q: 狭心症で冠動脈のカテーテル治療が必要だといわれました。どんな治療ですか?

A:狭心症治療には薬による治療とカテーテル治療があります。薬物治療には狭心症の発作を止めるためのニトログリセリンの舌下服用やスプレー噴霧と、狭心症が起きないようにする予防のための硝酸薬といわれるニトロ製剤、カルシウム拮抗薬、ベータ遮断薬などがあります。あなたの狭心症が薬だけでは治らない場合にはカテーテル治療を検討します。カテーテル治療にはカテーテルと呼ばれる細い管の先についたバルーン(風船)を用いて動脈硬化で狭くなった冠動脈を押し広げるPTCA治療と、バルーンに金属製の筒状のメッシュ(ステント)がついていて、この風船と一緒にステントを拡げるステント治療があります。さらに動脈硬化の程度が強く風船では拡げきれない部分を削り取るロータブレーター治療もあります。カテーテル治療やバイパス手術の場合にはご相談の上でご希望の連携病院をご紹介します。

Q: 動悸がして不整脈といわれました。どんな病気ですか?

A:心臓は微弱な電気信号で動いています。この電気信号に乱れが生じた状態が不整脈です。不整脈には多くの種類があり、入院治療を要するものからそのまま放置してよいものまでさまざまです。この判断は循環器専門医の仕事ですのでご相談にお出で下さい。不整脈の診断には心電図が必要です。普通の心電図検査では不整脈が記録されることはむしろ少なく、テープレコーダーを用いたホルター長時間心電図検査や運動負荷心電図試験が行われます。頻度の多い不整脈には期外収縮、心房細動、発作性心拍、房室ブロックなどがあります。治療の中心は薬物治療ですが、一部の例では薬で不整脈が悪化することがあります。したがって、治療の必要性を決めるには慎重な検討を要します。最近ではカテーテルを用いて原因部分を電気で加熱焼灼する方法も用いられます。また、脈が遅くてめまいや失神のある場合にはカテーテル検査を行い必要ならペースメーカを埋め込むこともあります。

Q: 息苦しさや浮腫みがあり、心不全といわれました。どんな病気ですか?

A:心臓は全身に血液を送るポンプです。その機能が低下して血液がうっ滞することを心不全といいます。特に肺にうっ滞する場合を左心不全、体にうっ滞するのを右心不全といいます。原因は生まれつきの心臓病である先天性心疾患、心臓の筋肉の病気の心筋症、心臓弁膜症、冠動脈の病気の心筋梗塞や高血圧による高血圧性心疾患などがあります。症状は肺に血液がうっ滞すると息が苦しくなります。体を動かして心臓の負担が増すと悪くなります。全身の血液がうっ滞するとむくみ(特に足)として現れます。長い時間立っているとむくみは悪くなります。時にはお腹に水がたまり腹水となることもあります。肺うっ血は胸部レントゲン写真で、全身のうっ血は診察で確認されます。また、心臓超音波検査(心エコー)で心臓の詳しい状況がわかります。

Q: 最近歩くとふくらはぎが張って痛くなり、休むと治ります。足の動脈硬化だといわれました。どんな病気ですか?

A:日本では下肢の動脈硬化が増えています。血管が狭くなって足を流れる血液が不足する病気です。専門用語では下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)といいます。一定以上歩くとふくらはぎが張って痛くなり歩けなくなり、しばらく休むとまた歩ける状態を間欠跛行といいます。中程度の病状です。さらに病気が進むと安静時にも足、特につま先が冷たく痛みます。さらに進むと足の指に潰瘍や壊疽ができます。血圧脈波検査でおおよその血の流れが予測できますが、血管の写真を撮る(造影CT検査や動脈造影)ことでその程度が正確に診断できます。治療には薬物治療と手術があります。薬は血管拡張薬と血小板を抑ええる薬が使われます。手術にはカテーテル治療(風船治療とステント植え込み)とバイパス手術があります。手術治療の場合にはご相談の上でご希望の連携病院をご紹介しています。

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