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眼科の病気について

Q:子供の視力が悪くなってきたのだけれど、治りますか?

A:視力低下の原因には幾つかあります。以下を参照してください。そして、まずは受診し原因を調べましょう。

  • 仮性近視(調節けいれん)
    主に年少児にみられる症状で、長時間マンガを読んだり、ゲームをしたりしていると近くを見た状態で目の筋肉が緊張状態で維持されてしまうことがあります。そうすると遠くを見ても近くを見た状態に目のピントが固定してしまっているために見づらいことになります。これは目の緊張を解いてやる目薬をさすことによって非常によく治ります。ただし、数カ月間点眼して効果がない場合は次の軸性近視の可能性が高くなります。
  • 軸性近視(おとなの近視)
    体の成長に伴って眼球が大きくなり、奥行きが長くなることでおこる近視です。一度大きくなった眼球を小さくすることはできないのでこの近視は残念ながら治りません。遺伝的要素がかなり関与します。眼鏡かコンタクトレンズによる矯正が必要です。
  • 子供の遠視
    眼球の発達が未熟で眼球が小さい状態で見られます。ピントが網膜の後方にあるので、遠くも近くも見えにくい状態です。近視は近くが見えますが、遠視はどこにもピントが合っていません。したがって強い遠視では視力が発達しない弱視の状態になる危険性があり、発達を促すために早期にメガネが必要になります。
  • 斜視
    目の位置のずれがあり、両目を同時に使う能力がないか、極めて低く、物を立体的に見る力が弱くなっています。両目で見る能力を獲得するためにはなるべく早期に訓練をするか、手術をしなければなりません。
  • 弱視
    メガネなどで矯正しても視力が不良な状態を言います。斜視、遠視、強い乱視などが原因になります。6才くらいまでに発見して治療する必要があります。9才を過ぎると視力発達時期を逸してしまい治療しても効果が上がらないことが多くなります。

Q:視界に黒い虫の様な髪の毛の様なものが飛んでいるのに気づいたのですが、大丈夫?

A:生理的な場合が多いのですが、重篤な疾患(網膜剥離裂孔、眼底出血など)の前兆症状であることもあります。安易な自己判断はせず、まず眼底検査を受けましょう。

  • 生理的飛蚊症
    白い壁や、青空を見た際、目の前に黒い点、髪の毛、丸い輪などが見えるものです。眼球内部にある硝子体にできた小さな濁りが見えるもので、年齢によって硝子体が萎縮しておこることが1番多い様です。
  • 網膜剥離
    カメラのフィルムにあたる網膜に穴(裂孔)が開くことによって始まります。その穴から眼内の水分が網膜の裏側にまわってしまうと網膜がはがれてしまいます。はがれた部分は見る機能を失います。最終的に全部はがれてしまうと、失明に至ります。網膜に穴が開いた段階ですぐにその回りをレーザーで固める治療(光凝固)を行えば、網膜剥離の発症や進行を防ぐことができます。広い範囲に剥離がおよんだ場合は入院して手術を行わなければなりません。

Q:糖尿病で目がやられると聞いたのですが、本当?

A:糖尿病の重篤な合併症に糖尿病網膜症があります。日本では失明原因1位です。糖尿病と診断されたら、必ず眼底検査を受けましょう。1回受けて大丈夫と言われても、数年後に発症するかもしれません。中断せず定期的にフォローアップを受けましょう。

  • 糖尿病網膜症
    血糖が高い状態で数年経過すると、網膜の血管がもろくなり出血や閉塞がおこります。放置してしまうと眼底出血や網膜剥離を発症し、いずれ失明してしまいます。血糖コントロールが何より必要ですが、早期に発見できればレーザー治療などで進行を遅くすることが出来ます。

Q:片目で見るとゆがんでいる箇所があるのに気づいたのですが。

A:以下の疾患を疑います。どれも、眼底検査と治療が必要です。

  • 中心性漿液性網脈絡膜症
    40才台の男性の片目の中心部に浮腫を生じる疾患で、ストレスが原因で起こると考えられています。2~3ヶ月で自然治癒することが多いのですが、浮腫が引かない場合は、蛍光眼底造影で水が漏れている場所を突き止めてレーザーでその場所を焼く治療を行います。
  • 加齢性黄斑変性症
    最近日本で増加しつつある疾患で、欧米では失明原因の第1位になっています。中心の網膜下に新生血管という非常にもろい血管が脈絡膜から延びてきて出血を繰り返すものです。視野の中心部分に出血してしまうので著しく視力が低下してしまいます。予後不良ですが、近年新しい治療法がいくつかでてきています。
  • 黄班前膜
    網膜の上(前面)にセロファンのような膜が張ってしまうことで、網膜にしわが寄ってしまい、ゆがみを自覚します。ゆがみが強い場合や視力低下を伴う場合は手術適応があります。

Q:結膜炎と言われたのですが、人にうつりますか?

A:結膜炎にはバイ菌(細菌)によるもの、アレルギーによるもの、ウィルスによるものがあります。ウィルス性(流行性角結膜炎)だけが他人にうつります。

  • 流行性角結膜炎
    『はやり目』と呼ばれるもので、アデノウィルス8型による感染症です。約1週間の潜伏期間を経て発症してひどい目やに、耳前リンパ節の腫れと圧痛、さらに角膜表層の小さな濁りのためにまぶしさを強く感じることがあります。目やにや涙が手指、タオルなどに付き、そこからの接触感染でうつります。空気感染はしません。強い感染力があるので学校保健法の定めにあるように、学生は治るまで学校を休まなくてはなりません。

Q:誰でもみんな白内障になるのですか?

A:白内障は目の中のレンズ(水晶体)が濁ってしまう老化現象です。遅かれ早かれ加齢と伴に誰でもなります。濁りが強くなって生活上不便が出ると手術で人工レンズに置き換えます。

Q:白内障と違って緑内障はこわいと聞いたのですが、本当?

A:緑内障は視神経の病気で、進行性です。遺伝もあります。見える範囲(視野)が狭くなっていく病気です。普段両眼で見ているので、視野が狭くなっているのになかなか気づきません。失った視野は取り戻せません。そのため早期発見が大切です。中年期以降の発症率が高いので、40歳を過ぎたら一度受診して視野検査を受けましょう。

Q:眼圧が低くても緑内障になるの?

A:眼圧が正常値なのに視野が狭くなるタイプを正常眼圧緑内障(NTG)と言います。じつは、日本人の緑内障で1番多いタイプです。人間ドックで眼圧が正常でも安心は出来ないのです。視野検査が何より大切です。

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